オーナー(飼い主)さんへ

当初、ホームページをはじめてから「オーナーさんへ」という項目だけは埋められないまま空白にしていました。抗がん剤治療がどう進んでいくのか、バフが再燃(再発)・再々燃(再々発)と繰り返す度に不安な気持ちがありました。

周囲に同じような境遇のワンちゃんもいない中で「これからどうなるのだろう?」と、自分自身がどうしたらいいか分からず、オーナー(飼い主)さんにアドバイス出来る立場ではなかったからです。約1年5カ月の抗がん剤治療を終えた今だからこそ、書きたいと思います。

このページをご覧下さっているのは、おそらく「飼い犬がリンパ腫ではないか」もしくは「リンパ腫と診断された」方だと思います。

「飼い犬がリンパ腫ではないか?」と疑問をお持ちの方は、一刻も早く専門の病院にかかり検査をしてもらって下さい。(専門の病院はLINK先をご覧ください)この病気は思うより進行がとても早いです。

「リンパ腫と診断された方」
とても不安な気持ちだと思います。だけど、これだけは言いたい。病名を受け入れて前を向いて欲しい。そのワンちゃんを守れるのはオーナー(飼い主)さんしかいません。

抗がん剤治療を迷われている方、ご家族がいらっしゃる方でしたら家庭内でよく話し合って下さい。家族間で意見の相違が多々あるそうです。それが原因となって家庭内が気まずくなったりする話もききました。

抗がん剤治療をするにあたって「家族の方針」「獣医師との信頼関係」この2つがとても大切になってきます。これらが揺らぐと、途中で通院が出来なくなり抗がん剤治療を打ち切らざるを得ないケースを何件か耳にしました。

オーナー(飼い主)さん自身の体力や精神が参ってしまうからです。

家族間の方針が一致(抗がん剤治療)していれば、出来る限りご家族で協力しあって下さい。個人的にですが、抗がん剤治療が上手くいっているなあ~と思ったところは、奥様お一人だけでなくご夫婦・子供さんが付き添いで病院に来ていました。あるいは旦那さんが車を運転して待っている関係でした。なので、これを見て下さっている方が子供さん、あるいは旦那さんであれば そっと手を差し伸べて欲しいです。

一人ですべてを負担するのは、思ったより体力面・精神面でかなりきついからです。

私の場合、たまたまこのタイミングで一人であったこと。誰の反対に合うこともなく、自分の意思をもって抗がん剤治療をすすめることが出来ました。そういった意味では、やりやすかったかもしれません。ただ、正直 体力や精神面でしんどいと感じたことがありました。

「獣医師との信頼関係」
これも大事です。獣医師にもよるのですが口調がきつかったり、口数が少なかったり、はっきりと物を言う先生もいます。オーナー(飼い主)が女性だった場合、怖気づいて色々聞けないといったことも耳にしました。そうなると表面だけの薄っぺらい関係になります。ちょっとした事でも相談できなくなっちゃうんですね。でも、疑問に思うこと、ちょっとした気づきでも獣医師に話しかけてみて下さい。

実は私も、獣医師とコミニュケーションを取るまで少し時間がかかりました。けど、あたって砕けろ!?という気持ちで向き合っていきました。そうしないと、通院が苦になってしまう。最後にはお互い信頼できるいい関係になっていたと思います。

最後に「抗がん剤治療をしたことを(時間面・金銭面で)後悔していますか」と聞かれれば

全く後悔していません。たとえ延命治療であったとしても、2~3週間だった命が1年5カ月あの子と長く一緒にいれたのですから。それも元気な状態で。神様がもう一度寿命を与えてくれたんだなと感謝したぐらいです。亡くなる数日前まで、とてもいい状態をキープしてくれていました。